今回はスワップ投資についてお話ししたいと思います。

<そもそもスワップとは?>
スワップとは取引通貨間の金利差によって得られる、金利差の調整額の事です。
具体的な例を挙げて説明しますね。

1ドルは大体100円で分かり易いので、日本とアメリカを例に考えてみましょう。
 ※1ドルは100円から変動しないと仮定します
例えば、日本の金利が1%でアメリカの金利が5%だとします。(仮定の話で実際とは異なります)
ドル円を保持するという事は、円を預けて同額のドルを買い付けてもらい預かってもらっている状態です。

預けているので当然金利が発生するのですが、100万円を預けた(ドル円保持した)場合に100万円なら1%で1万円の金利が貰えるところ、買い付けた1万ドル(1万ドル×100円=100万円)は5%で5万円の金利がもらえます。
この時の差分の4万円がスワップと呼ばれる金利差の調整額で、ポジションを保持しているだけで貰えるのです。

ただし、ここで言う金利は年利の為、実際は日数で割った額を日ごとに貰えます。(4万/365で109円ほどですね)
上記がスワップの仕組みで、金利差が大きければ大きいほどスワップの額が高くなり毎日貰える額が増えます。
おいしい話じゃないか、と思いますよね?

<新興国通貨(スワップの高い通貨)について>
説明した通り、スワップ投資で利益を得ようと思ったら金利差が多い通貨でポジションを持つのが良いです。
いわゆる、新興国通貨ですね。代表的なところでは、トルコリラ、南アフリカランド、そして私が取引していたメキシコペソでしょうか?
日ごとに一定額がもらえるので、なるべく多くの金額を長く預けることで毎日多くのスワップが長期間貰えるはずです。


では、スワップで実際どれだけ利益が出るのか?
10年前の2010年8月にポジションを保持して、現在まで持ち続けた場合の各通貨(トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソ)の表が下記の通りです。
<トルコリラ>
スワップトルコ1

<南アフリカランド>
スワップランド1

<メキシコペソ>
スワップペソ1


●条件及び計算根拠
 ・開始時点で1万通貨を保持し、決済せずに持ち続けた場合を想定
   ※2020年8月をゴールとして、10年保持なら10年前が開始年月
 ・各レートは、月足チャートのろうそく線の最安値を記載(TradingView様より取得)
 ・ポジション損益は保持開始時点からのポジション損益
 ・政策金利は該当年月時点での政策金利
 ・スワップの計算方法は日本の政策金利を0%とみなし計算、価格及び政策金利は該当期間の平均を算出し基準とした。計算式は下記の通り。
基準価格 = (各年月のレート + 1年前のレート)÷ 2  ×  10,000
基準金利 =(各年月の政策金利 + 1年前の政策金利)÷ 2
スワップ =  基準価格 × 基準金利
例) トルコリラの10年保持表で2011年8月のスワップの計算は下記の通り
     (54.42 + 42.06)÷  2 × 10,000 × (7% + 5.75%)  ÷  2  =  \30,753
 ・SWP日額はスワップを365で割った額
 ・損益合計はポジション損益とスワップ累計(SWP累計)の合計
 ・各レバレッジの入金額は開始年月のレートから算出した入金額をレバレッジの倍数で割った額
 ・レバレッジ列の各年月の割合(%)はその時点の損益を各レバレッジ入金額で割って算出、いわゆる利益率
   ※上記数値が-100%を下回る場合、ロスカットとみなし以降の年月はロスカ表示

割といい条件で計算したつもりです。
厳密に過去のスワップ額を算出するのは難しいので、なるべく近い値になるように平均を取って計算しています。
また、ロスカットについても各年の8月時点でしか見ていない為、途中に急落などしている場合はロスカットの対象になっている可能性があります。

この表を見て皆さんはどう思われますか?
思ったより年利が高い?思った通り?それとも低い?
メキシコペソはいい感じで利益を積み重ねていますね。
また、利率を上げるためにレバレッジをかけることもできます。
ただし、あまりかけすぎるとロスカットしやすくなっているのがトルコリラの表でわかるかと思います。
ただ、メキシコペソは唯一ロスカットしていないのでレバレッジ25倍かけた場合、かなりの利益を出してます。
10年間で447.2%、年利にすれば44.7%です。かなりの好成績ですね。
これならやってみてもいいかなとも思いますが・・・。
では、次の各通貨の9年~1年保持した場合の表も見てください。

<トルコリラ10年~7年>
リラ1

<トルコリラ6年~1年>
リラ2
<南アフリカランド10年~7年>
ランド1

<南アフリカランド6年~1年>
ランド2

<メキシコペソ10年~7年>
ペソ1

<メキシコペソ6年~1年>
ペソ2

なぜスワップで毎日利益があがるのに最終的にマイナスになってしまったり、ロスカットされてしまうかというと、ポジション保持による為替差益のせいですね。
つまり、上記通貨のスワップ投資では為替差益が足を引っ張って利益率を下げているんですよね。
開始したタイミングによって、大成功のプラス収支の物もあればマイナス収支の物もあります。
なぜこうなるのか、というところですがそれぞれのチャートを見てみましょう。
 ※チャートは「Trading View」さんの物を使用しています。

<トルコリラ>
トルコリラチャート

<南アフリカランド>
ランドチャート

<メキシコペソ>

ペソチャート

青線がレートの推移になります。
3通貨に共通して言えることは、取引開始以降ずっと下落トレンドなんです。
つまり、ポジション保持期間が長いほど、為替差益の含み損が増えていきます。
それが、スワップの利益と相殺されればいいんですが・・・残念ながら相殺できずにマイナスになってしまうこともあるんですね。
また、ある時点ではプラスだったとしても時が経つほどレートが下がり含み損も増えていきます。
上の表ではまだロスカットされていないポジションだったとしても、来年、再来年、その先にはもしかしたらロスカットされてしまうかもしれません。
 ※必ずロスカットするわけではないです。もしかしたら今後上昇トレンドに転換する可能性も・・・あるかな・・・?

唯一、メキシコペソだけはかろうじてレンジ相場になっていると言えなくもないでしょうか。
私がメキシコペソのトラリピをプラスで終えることができているのはそういう理由かもしれませんね。
コロナショック後の安値で購入し、そこからの下落があまりありませんでした。
もし、下落前の高値から始めていたとしたら、運悪くロスカットになるか良くても為替差益のマイナスでスワップの利益を食いつぶしている気がします。
取引を辞めた理由として一番大きなところは、やはり開始以降ずっと下落トレンドが続いているからというのが大きいですね。
今まで上昇トレンドになったことが無い為、上昇トレンドになる保証がありません。
また、トラリピの真骨頂はボラティリティの高いレンジ相場ですので、今後のメキシコペソの値動きにそれが期待できないと私個人としては思ってます。なので、撤退しました。

スワップ投資は毎日必ずスワップが貰えるので、目に見えて利益が増えていき嬉しくなりがちですが、そこに注目しすぎて見るべきものが見えなくなりがちです。
短期的な利益にとらわれず長期的な視点で最終的なゴールを考えておくべきだと思います。
エントリーする時に必ず損切と利確レートを決めるように、スワップもやめ時を考えて始めるべきかなと思う次第です。

今回のシミュレーションは、開始した後決済無しで買い増しもしない場合の想定でした。高値を掴んで為替差益のマイナスがネックだという事は買い値を下げればよいという事ですね。
安値だけを狙って買うか、ドルコスト平均法のように安い時は多く、高い時は少なく買い増しするのであれば下落トレンドで為替差益の含み損が増えていくとしても、影響を最低限にできるかもしれません。
次回はそのようなシミュレーションをしてみたいと思います。